祝1周年!おとなの寺子屋のこれまでとこれから

 

じもたんでたびたび取材している「おとなの寺子屋」が、とうとう一周年を迎えました!

というわけで、「第8回 おとなの寺子屋」は、これまで講師として登壇した方や、過去の講座に参加した方々が集合。この1年を振り返り、これからの抱負を語る会となりましたよ〜。

 まずは主宰者であり、全7回中、なんと3回も講師を務めた、平原憲道さんが登場。

 

「この1年はAIに絡んだ話が多かったですね。医療のICTInformation Communication Technology)が進むなか、AIによって医療や社会はどう変わっていくのかをお話しました。今後、ロボットが間違いなく私たちの生活に入ってくるでしょう。なぜなら、AIの力なしでは、日本の成長を持続することは難しいからです。先進国の中でもまれにみるスピードで人口が減っている我が国は、移民も少なく、今いるメンツでなんとかしなければなりません。それは、サッカーをするのに11名集まらず、無理やり10名で試合をしているようなもの。しかも、日本はホワイトカラーの生産性が低く、OECD諸国との比較では、米国や英国を初めとする主要国と比べて名目、実質ともに1.5倍から2倍程度の差があると言われます。それを残業で何とか補ってきたんです。サッカーに例えれば、真っ暗になってもナイターで練習しているような状態。人口の減少がワークライフバランスを壊してしまっているのが現状です。そんな日本にとって、ICTAIは不可欠と言えます。今後は、それらをうまく活用するための、人間ならではの卓越した能力が必要となるでしょう。」

 

「よく、Google先生に聞こう!というように、知識では人間はAIにたちうちできません。さらにコミュニケーション力においても、今は話している相手がロボットか人間か判断がつかないレベルまで達しています。前頭前野ではAIに勝てない人間の強みは、身体全体を使って動けること。例えば、アスリートやパフォーマーは、AIにはとって代われないし、介護の現場におけるヒューマン対ヒューマンのアシストは、そうそう置き換えらえるものではありません。

寺子屋2年目は、AIと文化AIと教育をテーマに、AI社会の中で、我々はどうgrow(成長)していけるのか、について考えたいと思います。」

 

鼎談タイム〜おとなの寺子屋のこれまでとこれからを語る〜

平原さんのお話のあとは、発起人である木村さん(大家さん)と和泉さん(株式会社NENGO建築プロデューサー)も交えての鼎談タイム。

 まずは木村さんから。
「私は生まれも育ちもこの街で、父が他界したのをきっかけに大家業を継ぎました。そして、建築プロデューサーの和泉さん、入居を望む学者の平原さん夫婦に出会いました。母が駄菓子屋で地域の子どもと触れ合っていることや、ボク自身も3人子どもがいることから、この街が楽しくなるような学びの場ができないかと思い、お二人に相談。子どもを教育するためには、まずは親を巻き込もう!ということでおとなの寺子屋が誕生したわけです。

大家としては、「街の当事者になろう」と思う人や、「この街に住みたい!」と思う若いファンを増やしていければ…と思っています。」

 (そうそう、木村さんと言えば、お母様は「駄菓子の木村屋のおばちゃん」として、地域の子どもの間では有名人。明るく優しく、でもルールを守らないとちゃんと注意してくれる、街のおかあさん的存在の方です!)

 平原さん
「近い将来、なぜか高津にはAI絡みの仕事についている人が多い…というのがうわさレベルでも出てくると面白いですよね。文京区在住者は学力レベルが高い…みたいな感じで。で、その理由を探ったら、おとなの寺子屋の存在があった(笑)という。」

 和泉さん
「木村さんから、この土地の活用に関してオーダーを受けた時、30年という時間軸で考えて“価値”を生み出すものは何か?という視点で考えました。私の息子は小学5年生なんですが、その子が今の私の年になる頃、良い状態にしたいなあ、と。で、この地域を調べたところ、その中で「寺子屋」というキーワードが出てきたんですね。

(おとなの寺子屋を開催している平原夫妻の自宅の向かいにある光明寺は、明治時代、二子学舎という寺子屋があったことで有名。)

また、濱田庄司さんという人間国宝の陶芸家や岡本かの子さんなど、文化的にすぐれた人々の出身地でありながら、その雰囲気がまるでないことをもったいないと思ったんです。

また、今大山街道は通過するだけの場所になっていますが、もっと“歩く場所”にしたい。

大山を歩く、というのが定着すれば、街のファサードも変わってくるはず。そう考えた時、まず1階をレストランにしたいと思いました。そうこうしているうちに、寺子屋を開催するのに、あまりにもぴったりな平原夫妻が入居希望者として現れて(笑)…。」

 木村さん
「最初は、自分の所有物件をどうしていくか…しか考えていなかったのですが、色々な人に会って話を聞くうちに、どんどん考えが変わっていったんです。私も、grow(成長)したのかな(笑)。これは、Google先生には無理ですね!」

 平原さん
いるだけで何かイイ♪とか、なぜかわからないけれど、あの駅を通過するだけで気持ちイイ♪みたいな街になると良いですよね。ちなみに今顔認証の技術レベルは大変高く、正答率が99%を越えるものも。で、さらに表情まで読み取れるので、そういったことも実際にデータとして検証できるんです。まあ、そこまでしなくても、ざっくりとした街の匂いや雰囲気づくりをどう醸成していけば良いのか…。

この寺子屋では、偏差値では測れない、地頭をアップさせる新しい勉強をしたいと思っています。まずは親を巻き込んで、それから子どもたちへ。その子どもたちの成長を受けて、親も変わっていく…そんな風に双方向で影響し合えるといいですね。」

 

木村さん

「駄菓子屋と寺子屋、そしてその間にある中庭をうまく活用して、例えば、“日本語禁止のサッカー”、みたいなアクティビティをするのもいいと思っています。」

 参加者のひと言タイムAI時代における働き方、生き方を考える〜

 最後に、参加者の皆さんが、ひと言ずつ発言しました!

 まずは、平原夫妻のご友人である、朝日新聞社の上野創さん。この日は取材を兼ねて参加されました!(その時の記事はこちら↓)

https://www.asahi.com/articles/photo/AS20180614002745.html

 「大家さんと建築プロデューサー、そして平原夫妻が手を取り合って、この寺子屋を実現させているのが素晴らしいと思いました。私は転勤族だったので、腰を据えて街づくりをする、というのを羨ましく感じます。」

 

次に、おとなの寺子屋主催者のもう一人である、妻のちひろさん。

「自分自身の課題としては、これから子どもの教育をどうしていけば良いか…と模索中です。今、偏差値で測れるのは「知能」を構成するほんの一部でしかない、というのは世界的に明白な事実。東大や慶應でも、受験が大きく様変わりしそうです。

またこの1年を振り返ると、子ども向けの企画とマインドフルネス講座は、集客が難しかったですね。これから2年目、どうやって参加者を増やしていくか…それが今の課題です。とにかく良いコンテンツを用意して、集客につなげたいと思います。」

 3人目は、大山街道沿いで若年性認知症のための拠点となる「b-café麦」を運営している吉田歌子さん。

AIが、若年性認知症の方や失語症の人たちにどう役立つのか、興味があります。例えば、バイタルを完璧に管理してもらえる、など、最新のテクノロジーが医療介護の現場にどう使われるのか、具体的に知りたいと思って参加しています。」

 4人目は、現役医大生の金井彩音さん。

AIは怖いイメージがありましたが、話を聞いて怖くなくなりました。医療の現場にもどんどんAIが進出していますが、その中で、死亡確認にはやっぱり医者が必要なのかな、と思っています。

おとなの寺子屋の集客ですが、もっと、おとなと子どもの間の人(中・高・大の学生)にもアプローチすると良いのでは?」

 

5人目は、金井彩音さんのお母様で、歯科医の金井久枝さん。

「娘には、とにかく色々な習い事をさせました。未来を探すための材料にしてもらえれば…と思って。人のgrowingに関わるものは一夕一朝でどうにかなるものではないと思います。

AI時代を迎え、中学教育でも、“人として、人じゃなくちゃできないこと”をもっと議論してもらいたいですね。」

 

6人目は、近所にお住まいの伊藤伸二さん。

「最初はレストランと間違えて階段を上ってきたんです(笑)。そしたらどうぞって入れていただいて、寺子屋のことを知りました。AIを考えることで、人間ってどんな動物なんだろう?ということが解明されていく気がします。

寺子屋に参加するようになってから、新聞を読んでいてもAIという言葉が目に飛び込んでくるようになりました。」

 

会が終わったあとは、おとなの寺子屋と駄菓子屋の間にある、“中庭”で和やかな懇親会が開かれましたよ〜。1階のレストラン「ニコルーチェ」からもケータリングが届き、おいしいお料理とお酒を楽しみました!

 

「大人の寺子屋」は、およそ2ヶ月に1回のペースで開催中。

77日(土)には、川崎の世界最高水準の研究開発拠点「キングスカイフロント」にある「慶應義塾大学殿町タウンキャンパス」を訪ねる初の遠足も開催予定!

興味のある方は、下記アドレスまでお気軽にお問合せくださいね!

 

「大人の寺子屋(平原)」(terakoya@oyabun.net)